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  • ゲ砂焼き鳥の無料エロ同人








  • 復讐の異色眼兄妹(オッドアイズ)~種付けして完全催眠~


    50話 姉弟と純白騎士団長

    「お客さんっ、着きましたよっ」


    御者の声がすると同時に、オレとリダ姉が乗っていた馬車は止まり、目的地に到着した事を告げた。

    それに頷くとオレとリダ姉は馬車から降りて、手綱を握っている御者の方へ向かい、運賃料を手渡ししながらお礼をした。


    「ありがとうございますですーっ!! とても乗り心地が良かったですよっ!! ねっ、フリードっ」


    「あぁっ、御者さんっ世話ンなりましたっ ......で、あれが王国っすよね? あの門番のとこに歩いて行きゃあ、えーと、いいんすか?」


    「そうだねっ 門番の所で、色々と質問されたり審査されたりするからそれに答えていけばいいよ。 ......ごめんねっ、この町から歩くには少しは遠いけど、王国での決まりだからねっ それじゃあ、また、何かあったらよろしくねっ」


    御者が手綱を握ってこの場から離れていくのを、オレとリダ姉は手を振って見届けた。


    「さてとっ、少しだけ、歩きますよっ〜!!」


    「あぁ」


    その場からオレたち2人は王国に向かって歩いていく......。


    辺りは広々とした草原であるため、ある程度、遠くまで見ることができ、王国へは迷うことなく行くことができるだろう。


    それに、この町から王国への道を示すかのように、オレたちの通っている場所には、草木が一本も生えていない。おそらくだが、予め、その部分の草原を刈っておき、何度もその地を踏み歩いていくうちに、生えてこなくなったのだろう。

    ということから、このオレたちの通っている道は、この周辺の人たちや、王国の人らも使用していることが予想できる。


    事実、王国から出て来た人や、馬車が何度かオレたちとすれ違っている。

    その王国へと近づいていくうちに、王国から出ていく者は何やら手帳のような物を渡していることに気づいた。


    「ん? フリードっ、見てくださいっ! 王国から出て来ている人が何か持っていますよーっ!」


    「持っているっ......と言うよりは、渡している......だなっ。 金銭的なものじゃないことから、あれが入国する際の許可証みたいなもんか。 ......とにかく、オレらもあれを貰わねぇといけねぇなっ 門番.....のとこに聞いてみるか。」


    オレとリダ姉が話しかけるより前に、その王国の門番であろう兵士の1人が声をかけてきた。


    「ここは王国城壁前だが、お二人さん......何用かな?」


    「あっ、私たちは、騎士団長さんに用があって来たのですよっー!!」


    「「騎士団長!?」」


    オレたちに話しかけてきた兵とは別に後ろにいた兵たちも共に驚愕の声をあげて、お互いに見つめあった。

    そして、こくりと頷くと、ゆっくりと口を開いた。


    「ならば、念入りに調べさせて貰う。 よいか?」


    「え!? あっ......はいっ!」


    リダ姉の返事を聞くと直ぐに兵たちはオレたちを調べ始めた。

    服のポケットやら、道具袋やらの中身を見せるようにとの要求や質問など......様々だ。


    「その箱は、何だ! 何を隠しているっ?」


    「かっ、隠しているわけじゃないですよぉ〜 これはっ......っしょっ、はいっ! 騎士団長さんへの、お土産の装身具(アクセサリー)ですっ!!」


    「うっ......うむぅっ。 むっっ! それは何だ! 何故、武器を持っているっ!?」


    「えぇっ!? 護身用ですよぉ〜!! 魔物とかに襲われた際の武器ですっ!」


    「むむっ......なっ、なら______」


    「なぁ、オレらは入国許可が貰いたいだけなんだが......こんなにも検査が必要なのか? 1組をこんなに時間かけていちゃあ、埒が明かねぇ。が、見たところ、オレら以外の奴にはここまでの時間を使っていないっ。 ......何か、あったのか?」


    1組への検査の時間がいくら何でも長すぎる。

    現在はそこまで人がいないが、多い時にこのように時間を掛けていては、その日が終わってしまうだろう。

    人数が少ないから、多く時間を掛けているという理屈だとすれば、それは、ハズレだ。

    普通、王国を攻め入る場合には最新の注意を払いながら、大人数に紛れるのが1番よく、証拠の隠蔽もしやすいだろう。

    見たところ、門番は最近入った新人っていう雰囲気では無い。

    ならば、この門番はある程度は仕事に慣れており、人を見分ける力は一般市民より優れているだろう。


    そんな、門番が、このようなぎこちない質問の仕方をするわけが無い。


    「うっ......。 すまないっ、それは、この王国でのことだ。 詳しくは私からは、言えん。 ......が、その通りだ。"何か"あったのだ。 現状、王国内では、より警備体制を強くして来ている。 高貴な者______貴族、王族に限らず、純白騎士団の団員もそうだ。王国に何かしら利益をもたらしている、あるいは、もたらすとされている者を守らなければならないのだ。」


    「......それは、王国を守ろうとしているようだな。 何者か王国を狙っていると?」


    「い、いや、それ以上のことは知らされてはいない。 が、恐らくはその可能性が______っと、言い過ぎ......か。 ......とにかく、君たち2人が本当に騎士団長に会うのが目的ならば、直接、騎士団長に聞いてみてくれっ。」


    「えっ、えーと、とにかくはっ、王国へは許可してくださるということですね〜!?」


    「あっ、あぁっ、......これが、その許可証だ。」


    小さな本______手帳のような物をオレたちは受け取った。

    デザインは、中心に王国の国章が描かれているくらいのこと以外は特に特別なものではない。


    「で、これは、この王国を出ていく時に返せばいいんだな?」


    「うむっ。......ただ、騎士団長さんの所への案内人をこちらが用意しよう。 許可証があっても、これが決まりになったんだ。」


    そう言うと、門番の男が2人の兵を呼び、その兵がオレたちの前と後ろに並び、騎士団長の元へ歩き始めた......。


    王国の城下町を歩いていると、やはりオレたちは目立ってしまい、周囲の目がどうしても気になってしまう。

    それもそうだろう。

    王国の兵に挟まれて歩いているこの現状は、一般市民からすると、まるで咎人のようにも見えるからだ。


    「んぅぅっ...... 何だか、許可して貰っているのか、して貰えてないのか、不思議な感じですよぉっ......」


    「リダ姉っ、こればっかりは仕方(しゃあ)ねぇよ。 寧ろ逆に、こうしてもらわなきゃ、先程(さっき)の門番の話が嘘臭くなっちまうからなっ。」


    ......が、しかし。

    王国全体を見たところ、別に焦っている者も居なく、特別感はない。


    ______雰囲気自体はそこら辺の町と大差は()ぇっ。城下町の人々には、情報が届いてねぇのか?


    王国内で、地位の高いもの___兵を含む___の人間のみの情報ならば、何故、オレたちに情報を?

    オレたちが、騎士団長に会いに来たというのを信じたから......? 仮に嘘だとしても、違法入国で捕えて口封じできるからか?

    それとも、ただただ、単純(シンプル)に、オレが面倒くさそーな奴だったからか?

    それとも......


    「むっ。 着きました。 ここが、騎士団長さんの屋敷です」


    「わぁぁぁぁ〜〜〜っ! 見てください、フリードっ!! 凄くっ、大きいですよっ!!」


    「あっ、あぁっ......そうだな 騎士団長、こんな、デケェ家に住んでんだなっ」


    ......リダ姉は特に考えて無さそうだが、この王国は、何かがある。

    少しばかり、警戒して置いた方がいいだろう。


    「わぁぁぁ〜〜〜......______」


    そんな、オレの考えなど、知る由もないリダ姉は、顔を煌めかせながら、騎士団長の家へと向かって行く______のを兵によって止められた。


    「______わぁ!?」


    「待たれよっ。 先に、私が、確認する。騎士団長殿っ、お客様ですっ。 ......む? いらっしゃらない......のか?」


    「えぇぇ!? 居ないのですかー!?」


    「うむっ。 どうやら、現在はいらっしゃらないようだ。 本日は休日だと聞いていたんだが......」


    「......タイミングが(わり)ぃなぁっ。 オレとリダ姉は、騎士団長が来るまで待っとくンだが、(アンタ)()はどーすんだ? オレらを見張らなきゃならねぇんだろ?」


    「うむぅっ......。そうっ......だが、私たちも、他に仕事があるのだっ。 一定時間待って、騎士団長殿がお見えにならなければ、君たちにはお引き取り願うしか______」


    「その必要は無いよ。」


    「______っっっっ!!! きっ、騎士団長殿!!??」


    「あぁ、先程、戻ってきた。 ん......? その者は......______っっっ!! あぁっ!! リダームとフリードじゃないかっっ!!」


    「わーっ! 覚えてくれてたんですか〜っ!!」


    「久しぶりっすねっ、騎士団長さん」


    それっぽい、高貴な雰囲気を漂わせていた、騎士団長はオレらを見るなり、砕けた話し方となったことにより、周囲の兵たちは戸惑いを隠せずにいた。


    「うんっ、久しぶり〜」


    「えっ...... きっ、騎士団長殿っ、ほっ、本当にお知り合いだったのですか!?」


    「えっ!? あっ......あー。 少しなっ。 えーと、この2人は大丈夫だから、元の仕事場に戻ってくれ」


    「はっ、はいっ! 騎士団長殿がそう仰るのならっ...... ではっ、失礼しますっ」


    兵たちは一礼(いちれい)すると、王国の門があった方へと戻って行った。


    そのことを確認した騎士団長はオレたちの方へ振り向き、心の底からの笑顔を見せた。


    「それじゃあ、立ち話もなんだし、(なか)に入ってっ!」


    「はいっ!!」


    騎士団長はオレとリダ姉の背を押しながら、その屋敷の中へと入れた。


    騎士団長の屋敷の中は、全体として豪華な作りになってはいるが、生活に最低限必要な家具の他には、騎士団長の鎧や武器、そして、表彰楯、賞杯(トロフィー)くらいと、豪華な外面の屋敷にしては無駄な物が特に無い。


    オレとリダ姉は騎士団長に進められるがままに、その騎士団長の大きなテーブルの席に座っていく......。

    その席の並びは、オレとリダ姉が隣で、向かい合うように騎士団長がいる。


    「お久しぶりですね〜っ!! 騎士団長さんっっ!!」


    「本当に久しぶりだ〜っ! フリードも、リダームも、大きくなったねーっ!!」


    「まぁっ......最後に会ったのは、孤児院にいた時っすからねっ ......ふっ、騎士団長さんの方は相変わらずっすね」


    「えぇ〜 そうかなー? それは若いって褒めてくれているのか、成長してないって意味なのかわかんないなーっ!」


    「それは、いい意味でですっ〜! あの時から変わってなく、優しそうな感じでよかったですよ〜っ!!」


    そんな仲が良いが故の他愛もない会話が弾み、自然と屋敷内に笑いが起こる。


    ある程度、話している中で、ふと、騎士団長が口を開いた。


    「フリードは、今もリダームお姉ちゃんと仲良いんだねっ」


    「なっ_____!? オレはっ、べっ、別に仲良くなんかは無いっすよっ!! 」


    「わぁ〜っ!! 酷いですよっフリードっっ! 私とフリードはっ、仲良しですよぉ〜!!」


    「はははっっ!! やっぱり、仲良いねぇ フリードは、小さい頃からずっとリダームと一緒だったもんね〜 いっつも、お姉ちゃんっ、お姉ちゃんってっ! ......今も言っているのかなぁ!?」


    「んなっ!? なわけ______」


    「はーいっ!! 昨日、一緒に寝た時に、お姉ちゃんって呼んでくれました〜っ!!」


    「へぇ〜 今もお姉ちゃんと一緒に寝ているのかぁ〜 仲良しだね〜」


    騎士団長は、ニヤニヤとした笑みを浮かべて、オレを見始めた。


    「むっ......。そんなんじゃっ......んんっ! リダ姉っ、それよりだっ 騎士団長さんに渡す(もん)があるんじゃねぇのか」


    「あっ! そうでしたっ! んっ......とっ。 よしっ、これですよっ! はいっ、騎士団長さんっ! 私とフリードからのお土産ですっ!!」


    リダ姉はお土産の装身具(アクセサリー)を取り出し、そのまま騎士団長へ渡した。


    「わっ、えぇっ!? ありがとうっ!! これは......お守りかな?」


    「はいっ!!」


    「なんか、そのつぶつぶの宝石が守ってくれるらしいっすよ」


    「そーなんだっ!! 魔法石みたいな感じかな? ありがとうっ! ......よしっ。 えーと、そう言えばさっ、2人は大丈夫だった?」


    「......? はいっ、大丈夫ですよー? 特に怪我とか無く来れましたですっ!!」


    「そっ、そうだったんだっ! それは良かった」


    リダ姉の言葉を聞くなり、少し安心の表情を騎士団長は浮かべた。

    なるほど、あまりオレらに心配掛けさせないようにってか......だが______。


    「すみません、騎士団長さんっ。 オレらっ、聞いたんですよ 今、王国で"何か"が起こっているって」


    「______っっ!? えっ、そっ、そーなの!? ......誰に?」


    「門番の兵さんたちに......。でも、オレらは直接、騎士団長さんの口から聞きたいんすよ」


    「そーいえば、そーでしたっ!! 騎士団長さんっ! 今、王国で何が起こっているんですか!? 教えてくださいですよーっ!!」


    騎士団長は、少し俯いて考えると、ゆっくりと口を開いた。


    「んっ......あぁっ、それが、海賊たちの子孫が動き始めたと、我が王がそう......仰ったんだ」


    「海賊......!? 確か、海で船に乗っている悪い人でしたっけ......?」


    「そう、昔、ある程度の力を持っていた奴らなんだけど......。」


    「それが、なんで今更動くんすか? いや、別に(わり)い奴らでも、王国と何の関係が?」


    「少し前にねっ、七つ流れ星が落ちてきたよね?」


    「んー? そうでしたっけ......? フリード、わかりますか〜?」


    「いやっ、知らねぇ......な。」


    「......えっ、えっと」


    「そっ、それが、何か......あるんすか?」


    「うんっ、その流れ星はねっ、実は"罪宝"って言って______あぁっ、えーと、簡単に言えばその宝を持った人はとんでもない力を持つことができるんだ。 で、その宝を印している地図が、この王国と、帝国......そして、海賊の子孫たちが持っているんだ。」


    「と、とんでもない(ちから)ー!? じ、じゃあ、そのとんでもない力が海賊の人たちに取られるかもしれないってことですか〜!?」


    「いや、リダ姉、それだけじゃないっ。 帝国の方にも気を使わなきゃならねぇ。 だから、現状、その両方に攻められねぇように、防衛を強化しているって感じじゃねぇか?」


    「うんっ......。 大体は、そうだねっ それに、王は、その宝を欲しているんだ。」


    ______っっっっ!!!!


    宝を欲している......?


    「そ、それは、どーゆーことなのですか〜!?」


    「逆に、もし、王国が手にしなければ、帝国の力が強まる......か、海賊の子孫たちが、この王国を乗っとるからだよ。」


    「......なるほど、宝を持っていない方は、持っている側の理不尽な取り引きも承諾をせざるを得ないという訳か」


    「そうっ。 だから、自分の国を守るためにも、何としても罪宝を所有しておく必要があるんだ。」


    オレと騎士団長の話にリダ姉がついていけず、頭を悩ませる。


    「う、うーん。 ですが、そのっ......そんなに海賊の人たちは強い方なのでしょうか〜? どんなに凄くても、国ではないのですよね〜? なら、王国や帝国を相手にできるとは思えないのですが......」


    それは、確かにそうだ。

    海賊は(むかし)栄えていたとはいえ、いくら何でも、国の兵隊と比べるとその人数差どころか、戦力差も歴然のはずだ。

    となると、実質、帝国との戦いのはずだが......


    「いや、それが______」


    「......?」


    「______うちの騎士団の1人が殺されたんだ。」


    「「殺されたっ!?」」


    騎士団長の団員は素人相手に簡単に殺されるような者ではないっ......。

    戦闘においてトップクラスの者たちの集団のはず......。


    「だ、だがっ、それこそ、海賊には、できねぇんじゃねぇすか!?」


    「......帝国なら、"1人だけ"を暗殺する必要はない。」


    ______っっっっ!!!!


    「そっ......それは......」


    「悔しいけどねっ、帝国の部隊の方が、何倍も戦力が上なんだ。 もし、帝国なら、真正面からの力と数の両方で一気に純白騎士団でも潰せると思う。 もし、仮に、暗殺をしているとしたら______既に、僕はいない。」


    「......っ」


    「......とは言ったけど、恐らく、帝国は"まだ"王国には手を出してこないはずだよ。」


    「まだ......?」


    「うん、そして表上は手を組むように話しかけてくるだろうねっ。2つの国が力を合わせて、残りの海賊からの宝を手にして分け合うと。」


    「な、なら安心ですよ〜 2国が協力しているのなら、海賊側に手に渡ることはまずないですよね〜!!」


    「リダ姉の言う通りだな。 後は7つあるってわけだから、帝国を警戒しつつ、1つ多く手に入れれば......」


    「二人ともそうじゃないよ。 寧ろ、警戒するべきは海賊______いや、正確には海賊側の人間だよ。」


    「な______っ!! それは、どういう......」


    「王国と帝国の弱点は______自分たちの仲間全員を正確に理解出来ていない点なんだ。 つまり、僕たちは、自国の民ですら、疑わなければならないんだ。」


    「それは、何故そう思うのですかっ!? 裏切る人がいるってことですか!?」


    「罪宝を印している地図は3つに破られて、王国、帝国、海賊の子孫たちが持っているんだけど......。 どうして、"丁度分かれるように"それぞれ持っているんだろうね」


    「当時の海賊が......自分の子孫と共にあえて渡したと?」


    「あくまで、可能性の話だけど......ね。」


    「......。」


    ______数秒の間、沈黙が訪れた。


    笑いあっていた時には気づかなかった周囲の環境音が強く感じる......。


    が、その沈黙は、この家の主である、騎士団長によって終わらせられた。


    「おっと、話しすぎちゃったねっ ......というわけだから、2人も、気をつけてねっ。 えーと、もう遅いから宿屋に泊まっていきなよ。 ちょっと待っててねっ......これで.....よしっ、はいっ これを宿屋の人に渡せば、無料で泊まらせてくれいからっ」


    騎士団長はペンを取り出して、小さな紙にサラサラとなにやら書き、その紙に純白騎士団のマークの印鑑を押して、それをリダ姉に渡した。

    受け取ったリダ姉はいつもの笑顔で感謝を伝えた______


    「あっ、ありがとうございますです〜っ!!......騎士団長さんっ、大丈夫なんですか? 聞いたところ、騎士団長さんも、危ないんじゃないんですか......?」


    ______が、その後すぐに顔を曇らせて、騎士団長の心配をする。


    「んー、あははっ そうだね もしかしたら、命が狙われているかもしれないねっ」


    明らかに無理して作ったような笑顔で、リダ姉に答えた。


    「なっ、ならっ......私と______」


    より一層、顔を曇らせたリダ姉。

    振り絞るように声を出すリダ姉。


    「でーもっ______2人がくれた、装身具(これ)があるからっ、大丈夫かなっ」


    騎士団長は装身具(アクセサリー)を取り出した。

    リダ姉に笑顔を見せた。


    「はいっ......!」


    リダ姉は涙ぐみながら、笑顔を見せた。


    ......。


    ......なんだ、この違和感は。


    「それじゃあ、今日はありがとうねっ! リダームにっ、それと、フリードもっ!」


    胸の奥が、痛い。

    締め付けられていく......。


    「はいっ、騎士団長さんっ、また来ますですよ〜!!」


    外からの苦痛では、無い。

    内部からの痛みだ。


    ......なんだ、これは。


    「またくるっす」


    自分でも、驚くほど覇気のない声で、騎士団長の家から出てリダ姉と歩き始めた。



    ......



    リダームとフリードが出て行ったのを確認した騎士団長は、1人になると同時に呟いた。


    「2人には、団員が海賊に殺されたと言ったけど......恐らくは、ヒロイック村の生き残りの異能使いにやられたんだろう。 まずいなっ......。」


    僕だって、本当は異能使いは残しておくべきだと思ってた......。

    魔物は環境に敏感だ。人間の感覚よりも何倍も優れている。魔王を討伐するほどの圧倒的な力の異能は環境にも影響を与え、魔物を抑制していたのだろう。


    事実、ヒロイック村が消えた今、各地方に魔物が多くなってきている......。

    いや、まさか、異能とは関係無く、罪宝の出現の予兆によって生態系が急激に変化をしたのか......?


    し、しかし、魔物が多くなっているとは言ったが、あれはまるで、1箇所に集まっていくようでもあり、魔物たちが、組織を作り始めているようにも......。


    くそっ!!

    やはり、異能の力が必要かっ......。

    あのネーミングセンスの無い科学者は、異能を超える力があるとか言っていたが......。


    まずいな......。


    団員を殺したのが、ヒロイック村の生き残りなら、確実に僕にも復讐をしに来るはず......。

    僕は王の命令とはいえ、残酷な事をした。


    もし、僕の知人をも、復讐の対象となると......。


    いや、よそう。

    せっかく、久しぶりにリダームに会えたんだ。

    今日1日、気分を崩さないようにしよう。

    恐らくこの王国の宿屋に泊まっているだろうからっ、明日もリダームに会いに行こうかな?



    ......リダームから僕へのプレゼントか。



    気付けば、装身具(アクセサリー)を手に取って、さっきまで、家に居たリダームの姿を思い浮かべていた。


    「それにしても、リダーム______やっぱり、可愛くなったなぁ......」



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